Insight China

北京駐在中の筆者が日々の生活・業務を通じ感じたことを書いていきます。

〜0秒思考〜 1分間メモ書きを続けて感じたこと

  最近、仕事での部署異動やプライベートでのライフイベントがあったりして、新しい環境で新しく業務を覚え直すこと、生活面の各種対応にて全く余裕がない毎日を過ごしていた。週末に休みがあっても「あれやらなきゃ、これやらなきゃ」が頭に浮かんで全くリラックスできない状態。精神的にはかなり参っていた様な気がする。

 

  元々生真面目でマイナス思考な所が有り、社会人になってからも同期達がオン/オフを切り換えて毎日を楽しんでいるのに対し、自分は過ぎたことをあれこれ考えて悶々とすることが多かった。自分ではこの性格を変えたいと思っても全然変えることができずに毎日を全然楽しむことができない。仕事に取り組む際にもあれこれ考えてしまい物事がテキパキ進まない。。。自分はもっとできるはず。。。そう思いながらも自分の思い通りにあらない現実に打ちのめされたことも多々あった。

 

  「なんとか仕事もうちょっと早く終わらせることができる様にならないかな」そう思いながら丸善のビジネス書コーナーを見ている時に赤羽雄二さんの「0秒思考」が目についた「0秒思考?そんなの無理でしょ。」と思いつつもあっさり購入。近くのカフェで読み始めると、今まで僕が読んできたノウハウ本との書かれている内容が違っていることに気がついた。

 

  赤羽さんが書かれていたメッセージは「人は生まれながらに頭が良い」・「一方日々の生活の中で人は頭を上手く使えなくなっている」ということで有り、頭の中を整理することで誰もが元々の能力を発揮できるということ。

  そして、頭の中を整理する方法としてA4用紙を横置きにし、1件1ページで左上に気になるタイトルを書き、1ページに4〜6行のみ、各行20〜30字でそれに対しての思いを1分間で記載していく方法だ。

 

  今まで頭の中でモヤモヤ考えていた内容を本書に倣ってひたすら書き出す様にすると自分の考えが可視化され頭が非常にスッキリする。しかも、なぜかわからないが書き出すことで自分の悩み自体が少し解決される様な気がするから不思議だ。

  このやり方は自分に凄く合っている様な気がするので引き続き続けて行こうと思う。続けることでどういった効果があるかはまた別途記載して行きたい。

 

 

20代後半でマネージャーになる中国人、若手扱いの日本人

 最近、同世代の中国人ホワイトカラーと絡んでいて感じているのだが、仕事における彼・彼女等の業務権限が日本の大手企業若手サラリーマンより明らかに大きい。中国では大企業でも実力次第で20代後半にはマネージャーとして5~20人程度の部下を管理する立場にある様で、自身のバジェットを持った上、人材採用、部下の給与の決定・退職勧告もある程度彼らの権限で行えるとのこと。

 

 翻ってウチのような一般的な日本の大企業では20代はまだまだ若手扱い、課長への昇格は一般的に40代前後、私の年代ではあと10年はプレーヤーとして日々の業務に取組むことになる。

 よって中国の優秀な人材は日本よりも早い段階でマネジメント経験を積むことになるのだが、これは日本と中国の労働環境の違いによる影響が大きくあり、私自身色々と感じることがあったので、以下簡単に違いを書きたい(※飽くまで民間企業同士の比較で有り、中国でも国有企業はかなり官僚的とのこと)。

 

1.契約ベースで働く中国人と終身雇用を前提に働く日本人

 終身雇用をベースに働く日本人と違い、中国人は1~2年毎に更新される労働契約をベースに仕事をしている。仕事のパフォーマンス次第で次回契約更新時に大きくプロモーションされる可能性があると共に、クビになる可能性がある。優秀な人材は今いる企業にて実力・貢献に沿った待遇を得られなければ、より高待遇の企業に転職する可能性が高く、企業としても優秀人材には早い段階で相応のポジションを準備する必要がある。日本の様に若手の内は一から教育して、十数年後にマネジメントポジションにつける様な文化ではない(よって中国民間企業では入社1~2年目から同時期に入社した社員間でも大きく給与に差異が発生するとのこと)ので、実力があれば自然と比較的早い段階で相応のポジションに就く様になる。

 

2.年齢・性別をあまり重視しない中国企業年功序列・男尊女卑の残る日本企業

 友人の中国人の会社には業務後ちょくちょく遊びに行っている(そこらへんのセキュリティ等は日本に比べ緩い)のだが、先ず女性マネージャーの多さ、女性が普通に男性社員に指示をしている光景を見て、ちょっと日本企業とは違うなと思う。また、会議等でも部下が普通に上司に意見を言うし、いい意味で中国らしい自由さがある。そもそも中国語には日本の敬語の様な言い回しが余り多くなく、仕事において年上・年下を日本程気にしない傾向にある。また、中国の民間企業はここ数年で急速に発展したことも有り、全体的に年齢が若く、年齢による上下関係もあまりないし、転職組も多いので勤続年数も日本程重視されない。同期とか入社●年目だからお前は後輩みたいな概念がないので、自然と業務における結果にフォーカスされる様になる。

 

3.上位ポジションの増える中国企業と変わらない日本企業

 現在、中国において50代は既に定年を迎えている人たちが殆どであり、且つ大多数が高等教育を受けた世代は40歳以下である様である。企業規模が大きくなると共に、管理層に居座る40代後半~50代があまりいないので、昇格のチャンスが大きい。

 

中国の労働環境は日本の外資系企業に近く、競争が激しい一方、実力があれば若手でも上に上がれる所が有る。(一方、契約ベースで働く中で、会社に対するロイヤリティが低く横領・収賄等のコンプライアンス違反をして私腹を肥やそうとする輩も結構いる様だが) 

僕自身は今の会社で入社1年目から本当に辛抱強く先輩方に教育・指導を貰ったことや、万が一健康を害した場合の会社による救済等、社員を大切に育成し、業務に集中できる日本企業の良さを感じているのだが、一方で同年代の中国人が既にマネージャーとしてガツガツ競争(結果が出なければ会社からOUTとなるので)している中、一種の危機感を感じ始めている。

日本でも将来的には年齢・性別に関係なく実力ベースでガチンコ勝負する労働環境が主流になると思われるし、多分それは僕が定年になる前に訪れるだろう。

規律の順守・計画に基づく実行が得意な日本人だが、その時その集団を指示しているのは若手の内からマネジメント経験を積んだ中国人かもしれない。

そう考えるとなんかうかうかしてられないし、彼・彼女らに負けない様に頑張らないといけないな強く思う。